
架台の種類
電気設備を安全かつ効率的に設置・運用するために欠かせない「架台」。
一言で架台と言っても、その種類は多岐にわたります。
この記事では、主な架台の種類とその特徴について解説します。
架台に関する基礎知識はこちらの記事をご覧ください。
架台の分類
架台は、様々な観点から分類することができます。代表的な分類方法を知ることで、目的に合った架台を選びやすくなります。
用途による分類
「設置・支持するものが何か」で分類します。
- 機器・設備用架台
キュービクル、変圧器、発電機、ポンプ、シロッコファン、エアコン室外機など、比較的重量のある機器を設置するための架台。十分な耐荷重と、機器によっては振動対策が求められます。 - ケーブルラック・レースウェイ用架台
電線ケーブルを敷設するためのケーブルラックやレースウェイを支持する架台。天井吊り下げ型、壁面取り付け型、床置き型などがあります。 - 配管・ダクト用架台
配管や空調ダクトなどを支持するための架台。配管の重量や内容物、熱膨張、振動などを考慮して、支持間隔や固定方法が決められます。「サポート」とも呼ばれます。 - その他
人が乗って作業するための点検用通路架台、機器を操作するための操作架台など、特定の目的を持つ架台もあります。
材質による分類
架台は材質によって以下の分類をすることができます。耐久性やコストに違いが見られます。
- 鉄鋼材(スチール)
強度が高く加工しやすいため、最も一般的に使用されます。通常、錆を防ぐために塗装や溶融亜鉛めっき処理が施されます。 - ステンレス鋼
錆びに非常に強く、耐食性・耐候性に優れています。食品工場や薬品工場、沿岸部など、衛生面や耐食性が重視される環境で使用されます。鋼材より高価になります。
設置場所による分類
最後に架台を設置する環境に応じて設計に考慮する必要な条件が変動します。
- 屋外設置
雨風、紫外線、温度変化、塩害、積雪など、厳しい環境に耐えられる材質や表面処理が必要です。耐風圧や耐積雪荷重の計算も重要になります。 - 屋内設置
屋外ほどの耐候性は求められませんが、設置スペースの制約や床面の耐荷重などを考慮する必要があります。
【写真で見る】代表的な架台の種類と特徴
八州電工の架台製作事例をご紹介しながらご説明します。
キュービクル用架台
【現場特徴】
- 高重量のキュービクルを安定して支持。
- 基礎への確実な固定が不可欠。
- 耐震性を考慮した設計が必要。
【対応内容】
設置場所のスペースや地盤条件、キュービクルのサイズや重量に合わせたオーダーメイド設計を実施。さらに、耐震クラスに応じた強度計算も社内で対応。
ケーブルラック用架台
【現場特徴】
- 大量のケーブルを安全かつ整理して敷設するために使用。
- 天井、壁、床など設置場所に応じた形状がある。
【対応内容】
建物の構造やケーブルの量、将来的な増設スペースなどを考慮した、最適なラック支持方法と架台をご提案。
八州電工は、架台の設計から耐震計算・強度計算、製品制作まで一気通貫でご提供することができます。現場に合う架台の選び方やお見積り、オーダーメイド・特注製作のご相談は、お気軽にいつでもお問合せください。
架台を選定する際の重要ポイント
最適な架台を選ぶためには、以下の点を総合的に検討する必要があります。
- 耐荷重・強度:設置する機器の重量や、設置場所の環境(風、雪、地震など)に十分耐えられるか。
- 材質・表面処理:設置環境に適した耐食性・耐候性を持つか。
- 法令・規格:建築基準法、電気設備技術基準、JIS規格などに適合しているか。
- 設置スペース・施工性:搬入経路、設置スペース、施工のしやすさはどうか。
- メンテナンス性:将来的な点検やメンテナンスは容易か。
- コスト:初期費用だけでなく、耐久性やメンテナンス費用を含めたライフサイクルコストはどうか。
- 耐震性:地震発生時の設備の転倒・損壊を防ぐ設計になっているか。
まとめ
架台は、電気設備の性能と安全を長期にわたって支える重要な基盤です。多種多様な架台の中から最適なものを選定し、確実に設置するには、専門的な知識と経験が不可欠です。
八州電工は、電気設備工事に関する豊富な実績を持ち、多種多様な架台の設計・製作・設置に対応可能です。特に、お客様一人ひとりのニーズに合わせたオーダーメイド・特注架台の製作を得意としております。規格品では見つからない、現場の状況にぴったり合う架台をお探しなら、ぜひ八州電工にご相談ください。