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電材の基礎を学ぶ

金属ダクトの種類

この記事では「金属ダクトの種類」について紹介します。

ダクトの材質と仕上げの種類、本体・ふた・接続の種類を詳しく解説していきます。

また、国土交通省が規定する標準の金属ダクトについても解説します。

 

「金属ダクト」の概要や工事時の注意点については以下の記事でご紹介しています。

まず、金属ダクトの役割や施工環境について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

金属ダクトとは

金属ダクトの材質の種類

ダクトは、設置場所や目的に応じて異なる材質が用いられます。一般的に使用される材質は以下があります。

  • 鉄鋼板(スチール)
  • 表面処理鋼板
  • ステンレス
  • アルミ

それぞれの材質について解説していきます。

鉄鋼板(スチール)

スチール製で、錆や腐食に対して原板は対候性がないので一般的には塗装や溶融亜鉛めっき仕上げなどの防錆加工を施して製作されます。

表面処理鋼板

スチール製と比較し錆びにくく、対候性に優れている点が特徴です。溶融亜鉛めっきの工数がないため比較的短納期で納入されることが多いです。

ステンレス

対候性に優れさびに強く屋外でも多く使用されます。また衛生面にも優れるため、各種工場でも使用されます。半面、価格が鋼板製と比べ、高価になります。

アルミ

さびに強く軽量で施工が簡単で水道設備を置く環境などで使用されます。半面、価格が鋼板製と比べ、高価で強度も弱い傾向があります。

金属ダクトの表面処理の種類

設置場所により、見た目や機能を表面処理にて加工することができます。金属ダクトの表面処理の種類は以下があります。

  • さび止め塗装
  • 指定色塗装
  • 溶融亜鉛めっき(ドブ)仕上げ
  • ステンレスの表面加工

それぞれの項目について解説していきます。

さび止め塗装

主に鋼板製に施す安価な塗装で基本的には現場で上塗りをしていただく仕上げになります。

指定色塗装

金属ダクトの表面を指定の色で塗装することができます。塗装することで、錆の発生を抑えるとともに、美観を向上させることができます。塗装の種類は複数ありますが、屋外ではアクリル焼付塗装という手法が用いられます。

溶融亜鉛めっき(ドブ)仕上げ

金属ダクトの表面をめっき加工することができます。めっき加工とは、鉄の表面に亜鉛の薄い層を形成することを指し、「ドブ(付け)めっき」を呼ばれることもあります。めっき加工をすることで錆を防ぐことができます

ステンレスの表面加工

ステンレスダクトの表面加工には、艶と傷が目立ちにくいヘアライン仕上げや、鏡面のような光沢で高級感を演出する鏡面仕上げ独特の光沢が美しいバフ研磨などがあり、用途に応じて建築内装や商業施設などのデザイン性が求められる場所で使用されます。

国土交通省が規定する標準金属ダクト

「公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)」という国土交通省が監修している仕様書があります。本書は公共建築工事において使用する材料、工法などについて標準的な仕様を取りまとめたものになります。本書では金属ダクトについて下記のように記載されています。

金属ダクト本体形状の種類

金属ダクトは、一般的に特注品が多い傾向にあります。ダクトの形状や寸法に変動が多いためです。下記画像にて主な金属ダクトの形状を紹介します。

金属ダクトのふた形状の種類

設置条件によって本体形状はもちろん、ふたの形状も選定する必要があります。金属ダクトのふた形状の種類は以下があります。

  • 平ふた形状
  • 被せふた形状
  • 水切防水形状
  • 落しふた形状
  • 屋根型ふた形状

それぞれの項目について解説していきます。

平ふた形状

平板のふたを取り付けた形状です。パッキンの付属がない非防水仕様です。

被せふた形状

ふたの端部を折り曲げた形状です。ふた部にパッキンが付属されており、簡易的な防水仕様となります。

水切り防水形状

本体の開口部が折り返し形状となっており、パッキン付きの被せふたのついたボックス形状です。ほかの形状と比較し、高い防水性があります。

落しふた形状

ダクト本体とふたの高さがおなじで突起がないふた形状です。

屋根型ふた形状

ダクトのふた部分を雨雪を退けるための屋根型に加工した形状です。

金属ダクトの接続の種類

金属ダクト接続する種類もいくつかあり、コストや必要強度に応じて選ぶことができ、接続の種類と特長を合わせていくつかご紹介します。

  • カップリング接続
  • 内フランジ接続
  • 外フランジ接続

それぞれの項目について解説していきます。

カップリング接続

コの字型の接続金物でダクト内部、もしくは外側で接続する方式です。側面にボルトナットが若干特記しますが、コストを低く抑えられます。内部のコの字金物だけで接合しますので、下記のフランジ接続と比較すると接合部の強度は劣ります。

内フランジ接続

接続部の内側に固定用のフランジを加工した形状です。アングル等でフランジを製作するため、接続部の強度があります。外部に突起がなく全面フラットですが、内部はフランジの分、凹凸ができます。

外フランジ接続

接続部の外側にアングルなどでフランジをつけた形状です。内フランジ同様に強度があり、ボルト止めを比較的楽ですが、フランジ分の高さが出ますので地面もしくは壁面から浮かすブラケット(支持金物)などが必要です。

まとめ | 金属ダクトの種類を把握して適切に選定しよう!

今回は、金属ダクトの種類について紹介しました。

金属ダクトは材質から本体やふたの形状など各種製造されており、多様な組み合わせを作ることができます。 そのため使用環境に応じて、適切な形状や接続方法を選びましょう。

皆様が現場にあった金属ダクトを選定する際、この記事が少しでも参考になれれば幸いです。

 

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