ボックスコネクタの種類

電気工事において、電線管とボックスを接続するために不可欠な「ボックスコネクタ」。
一見するとどれも似たように見えますが、実は使用する電線管の種類や設置される環境によって、多種多様な製品が存在します。不適切なコネクタを選ぶと、施工不良により様々な問題につながる可能性もあります。
この記事では、ボックスコネクタの種類と各種の特長を解説し、現場の状況に合わせた最適な製品を選ぶためのポイントを詳しくお伝えします。
ボックスコネクタの役割や取り付け方は以下でご紹介しています。
ボックスコネクタとは
なぜボックスコネクタの「種類」を知ることが重要なのか?
適切な種類のボックスコネクタを選ぶことは、電気工事の安全性と品質を確保する上で極めて重要です。もし間違った種類を選んでしまうと、以下のような問題が発生する可能性があります。
- 接続不良
電線管としっかり固定できず、振動や経年で緩みや抜けが発生する。 - 電線の損傷
隙間から電線が露出し、被覆の損傷につながる。 - 防水・防塵性能の低下
屋外や水回りでの使用で、ボックス内部に水やホコリが侵入し最悪の場合、漏電や停電につながる。
こうしたリスクを避けるためにも、それぞれの種類の特徴を正しく理解し、用途に合わせて使い分ける必要があるのです。
ボックスコネクタの主な種類と特徴
ボックスコネクタには、接続する電線管の種類によって様々な分類があります。代表的なものをいくつかご紹介します。
電線管の種類による分類
- VE管用(硬質塩化ビニル電線管用)
硬質で直線的なグレーの配管「VE管」を接続するためのコネクタです。接着剤を使用して接続するタイプが一般的です。 - PF管・CD管用
手で曲げられる蛇腹状の合成樹脂製可とう管「PF管(自己消火性あり)」や「CD管(自己消火性なし)」を接続するためのコネクタです。差し込むだけで固定できるワンタッチタイプが多く、施工性に優れています。 - 鋼製電線管(ねじなし電線管)用
金属製の端部にねじきりが無い電線管を接続するためのコネクタです。「E管」とも呼ばれ、止めねじで電線管を固定するのが特徴です。また「C管」「G管」でも切断した端部にねじを切っていない状態であればこの種類のコネクタを使用します。 - 鋼製電線管(ねじつき電線管用)
金属製の端部にねじきりがある「C管」「G管」を接続するためのコネクタです。ねじ込み式で、「C管」は主に屋内、「G管」は主に工場や屋外などの厳しい環境で使用されます。
【一覧】電線管の種類で選ぶボックスコネクタ
ボックスコネクタは、まず「どの電線管に接続するか」で分類するのが基本です。ここでは、主要な電線管に対応するコネクタの種類をご紹介します。
VE管(硬質塩化ビニル電線管)用コネクタ
グレーの硬い樹脂製のパイプ「VE管」に使用します。パイプとコネクタを接着剤で溶着させて接続するため、確実な固定が可能です。
- 特徴
接着剤による強固な接続。サイズ展開が豊富。 - 主な用途
屋内外の露出配管工事全般。
PF管・CD管(合成樹脂製可とう電線管)用コネクタ
蛇腹状で手で曲げられる「PF管(自己消火性あり)」「CD管(コンクリート埋設用)」に使用します。
- 特徴
差し込むだけで固定できるワンタッチタイプが主流で、施工がスピーディ。 - 主な用途
天井裏や壁内の隠ぺい配管、コンクリート埋設配管。
電線管(ねじなし電線管)用コネクタ
金属製の電線管のうち、ねじ切りがないタイプ(E管)に使用します。
特徴
コネクタ本体にある「止めねじ」を締めることで、電線管を固定する。
- 主な用途
屋内の隠ぺい部及び屋内露出配管としても使用される。
電線管(ねじ付き電線管)用コネクタ
管の端部にあらかじめねじが切られている金属製の電線管(C管・G管)に使用します。
- 特徴
ねじ込んで接続するため、防水性、機械的強度に非常に優れる。 - 主な用途
「C管」は主に屋内、「G管」は主に工場や屋外などの厳しい環境で使用。
【一覧】材質や機能で選ぶボックスコネクタ
接続する電線管の種類に加え、設置環境や特別な要件に応じて、材質や機能からコネクタを選ぶことも重要です。
防水タイプ
- 特徴
ゴム製のパッキンが付属しており、ボックスとコネクタ、電線管の隙間からの水の侵入を確実に防ぎます。 - 主な用途
屋外の配管など、水気や湿気にさらされる場所。
鋼製vs.樹脂製
- 鋼製
機械的強度に優れるが、錆びる可能性があるため、通常は材質自体が亜鉛ダイキャストであったり、表面に溶融亜鉛めっき処理が施されています。 - 樹脂製
錆びることがなく、軽量で施工性に優れますが、鋼製ほどの強度はありません。
最適なコネクタを選ぶための3つのチェックポイント
最終的にコネクタを選定する際には、以下の3点を確認しましょう。
1.【電線管】種類とサイズは合っているか
ボックスに接続される電線管の種類(VE,PF,G管など)と、呼び径(16,22などの座サイズ)に適合しているか、必ず確認してください。
2.【設置場所】環境に適した機能を持っているか
屋内なら「非防水タイプ」、屋外や水回りなら「防水タイプ」など、設置環境に応じた機能を持つ製品を選びましょう。
3.【ボックス】穴の径は適合しているか
ボックス側の穴のサイズに合わないと取り付けできません。事前に確認が必要です。
ボックスコネクタのことなら八州電工へお任せください!
今回は、ボックスコネクタの豊富な種類と、その選び方について詳しく解説しました。
たった一つの小さな部品ですが、その選定を間違えると電気設備の安全性や信頼性を大きく損なうことになります。
八州電工では、多種多様なボックスコネクタを取り揃えています。
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