3Dレーザー計測の種類

工事現場での計測ニーズは多様化しており、「大型プラント設備全体を効率的に計測したい」「狭い配管内部の形状を詳細に把握したい」「高所の危険箇所を安全に測定したい」など、それぞれ異なる要望があります。
3Dレーザー計測技術では、こうした多様なニーズに対応するため、計測対象や環境条件に応じて最適な機器を選択することが重要です。
機器の種類によって計測精度、測定範囲、作業効率が大きく異なるため、目的に応じた適切な選択が成功の鍵となります。
本記事では、主要な3Dレーザー計測機器の種類と特徴を詳しく解説し、どのような場面でどの機器を選ぶべきかの判断基準をご紹介します。
地上設置型レーザースキャナーでの計測
地上設置型レーザースキャナーは、三脚に固定して使用する据置型の計測機器で、広範囲・高精度の計測において優れた性能を発揮します。
基本的な特徴
- 計測距離:一般的に150m~200m程度
- 計測範囲:360°(水平)×300°程度(垂直)
- 計測速度:数十万点~数百万点/秒
- 重量:4kg~10kg程度
技術的優位性
長距離計測能力により、高所や広範囲の対象物を効率的にスキャンできます。内蔵カラーカメラにより点群データに色情報を付加でき、よりリアルな3Dデータを生成できます。電源供給が困難な現場でも、長時間持続バッテリーにより安定した計測作業が可能です。
精度と品質管理
高性能機種では1mm以下の高精度計測が可能で、品質管理や精密測定が要求される用途に適しています。高解像度スキャンデータにより、微細な形状変化も正確に捉えることができます。防水対応機種では、屋外での使用においても安定した性能を発揮します。
適用場面
大規模なプラント設備、工場建屋、屋外設備の全体計測に最適です。電材工事における配電設備や金属加工における大型構造物の現況把握、既設配管の詳細測定、構造物の変形監視など、広範囲かつ高精度が要求される用途に性能を発揮します。
ハンディ型3Dスキャナーでの計測
ハンディ型3Dスキャナーは、手持ちで操作できるコンパクトな計測機器で、狭隘部や複雑形状の計測において機動性を発揮します。
基本的な特徴
- 計測距離:一般的に0.5m~4.0m程度
- 計測範囲:50°~70°程度(視野角)
- 計測速度:数十万点/秒
- 重量:1kg~2kg程度
技術的優位性
据置型よりも圧倒的にコンパクトで、三脚への設置が不要なため片手での撮影が可能です。リアルタイム合成処理により、計測しながら3Dモデルの構築状況を確認できます。狭い場所でのアクセス性に優れ、従来困難だった箇所の計測を実現します。
使用上の注意点
多くの機種は赤外線や構造化光を使用するため、強い日光下での計測に制約があります。また、計測距離が短いため、大型対象物の全体計測には不向きです。バッテリー駆動時間も据置型に比べて短いため、長時間作業では充電管理が重要です。
適用場面
配管内部、機械装置の詳細部分、複雑な形状を持つ金属加工品の品質検査など、近距離での詳細計測に最適です。既設設備の改修工事における干渉チェックや、狭隘部での現況確認作業、小型部品のリバースエンジニアリングなどに威力を発揮します。
ドローン搭載型レーザーでの計測
ドローン搭載型レーザー計測は、小型軽量化されたレーザースキャナーを無人航空機に搭載し、上空からの広域計測を実現する技術です。
技術的特徴
小型化されたレーザースキャナーをドローンに搭載し、GPS・IMU(慣性計測装置)との組み合わせにより、正確な位置情報付きの点群データを取得できます。飛行経路の自動制御により、効率的で再現性のある計測が可能です。
計測能力
- 飛行高度:一般的に50m~150m程度
- 計測精度:高度や機器により数cm~数十cm
- 計測範囲:一度の飛行で数十ヘクタール
- 飛行時間:バッテリー容量により20分~40分程度
安全性とコスト効果
人がアクセス困難な高所や危険箇所を安全に計測でき、足場設置等の安全対策費を大幅に削減できます。広範囲を短時間で計測可能で、大規模施設の全体把握に優れた効果を発揮します。作業員の安全リスクを最小化しながら、効率的な現況調査を実現します。
制約事項と注意点
航空法による飛行制限区域での使用に制約があり、事前の許可申請が必要な場合があります。風速や気象条件により計測精度が影響を受けるため、適切な気象条件での実施が重要です。また、電波障害や GPS 信号の受信状況も計測品質に影響します。
適用場面
大型プラント設備の屋根部分、高層建築物の外壁、送電設備の点検など、高所での計測作業に最適です。災害現場での緊急調査、広域インフラの定期点検、大規模工場の全体調査などにおいて、従来手法では困難だった作業を可能にします。
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3Dレーザー計測機器の選択は、計測目的、対象物の特性、環境条件、要求精度を総合的に考慮して決定する必要があります。
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